本
バンドネオンの奏者は、日本の民謡界における三味線だとか琴だとかと同じで、ものすごい愛憎がバンドネオンに対してあるんだってことですね…(略)…そういう愛憎入り乱れてるポストモダニストの作品を聴いてもひとつも面白くないんですよ。それで、バル・スー…
『DEATH NOTE』はすばらしい作品で大変おもしろく読みましたが、そこを長々と書くと本題と反れるので割愛しまして、今日書きたいのはちょっと気になった点のほうです。 犯人と探偵の心理戦が物語のメインとなるわけですが、それに比べてセックスの描写があま…
安野モヨコのキャラクターとの距離の取り方は気持ちがいいです。 クールだけれど愛にあふれている。 これはフィクションより、対象が自分(『美人画報』)だったり旦那(『監督不行届き』)だったりするエッセイのほうがわかりやすいでしょう。 「ちょいダメ…
友達のベイビーにあげようと思って谷川俊太郎と岡崎乾二郎の絵本を買ったんだけど、これがまぁすごいのなんのって。 「ぶん 谷川俊太郎」ってなってるけど、「はぴぷぺぽ」しか使ってなくて全然「ぶん」じゃないのね(笑) 岡崎さんの絵も「生き物のように見え…
↑の話を同居人にしているときに、僕が「素人童貞」という言葉を口にしたところ 「え?何それ?…えっと、素人?童貞?あ…もしかして素人としかそいうことしたことが?…違うな、玄人…だから…えーと逆か!…あ、なるほどぉ。そんな言葉があったんだ!」 と一人で…
小熊英二の『インド日記』に 日本語の『協調性』を英語ではどう翻訳するか議論になったが、『同化 assimilation』がいちばん適切だという結論をインド側の人びとは下した」 という一文があります。 せっかく小熊英二の本を読んだのナンですが、今日もスター…
こんにちは。メールチェックをしに、と言うのは建前で、 今月もう30時間以上マンガ喫茶に来ているwbntです。『はちみつとクローバー』を最後まで読んだんですが、 「彼女が動けない時に『半年くらい何もしなくていいよ』 って言えるくらいの蓄えはしておきた…
友達の日記のコメントんところで 少女マンガの主人公で坊主頭っていないね、って話になったんです。 『BASARA』の朱理が一時期坊主になるなんて話もでたんですが、 結局それも「反省」の記号なわけですよ。 どれだけキッチリ書こう(描こう)ともマンガって…
僕は24年組が好きなんですけど、 あの方々は「受苦」というテーマをよく書きますよね。 (もちろん他にもありますが) 僕はそのテーマに関して言うと山岸涼子が一番好きなんです。大島弓子のキャラの繊細さとか、萩尾望都のキャラの強さに比べて 山岸のキャ…
なんでこんな本を読んだのかと勘繰らないように。理由は秘密。 寄ってくる異を適当に相手にして満足できるのが恋愛上手な人間であり、高い理想を求めて、これに叶わない異性は相手にしない、がために恋人の不在に苦しむというのが恋愛下手な人間である。 前…
うすた京介の『すごいよ!マサルさん』で マサルさんが王様ゲームの王様になったとき、 「王様が命令をするゲームだ」と教えられたマサルさんは 「3番は5番の足に気をつけろ!」と言います。 「ちがーう!」と突っ込まれるわけですが、いったいどこが違うの…
現代に蔓延するデモクラシーに対する無力感について 政治的決定の「消費者」の地位に 現在の多くの人が追いやられてしまっていることが 大きく関係しているのではないか、 というような話が書かれています。70年代くらいまでは、市民による抵抗が 政治に対し…
最近ますます難しい本が読めなくなってる28歳。 重い本カバンに入れて歩くのが億劫なメガネ男子。それが僕。 そういうわけで最近は新書を読んでいるのです。以前にも同じことを書いたのですが、 A1「タバコは嫌いだけど、好きな女性が吸うならしょうがない」…
昨日は「音韻」と「音響」について 何の説明もなしに書いてしまったわけですが(笑) 音響とは文字通り音楽における音響物理学的領域、 音韻とは、もっと情報的(?)な領域、 もっともわかりやすいのは楽譜ですね。 で、菊池・大谷は音響的領域の肥大について語…
図書館で予約待ちすること数ヶ月、 菊地成孔・大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』を やっと借りられました。 まだちょっとしか読んでないんですけど。菊地と大谷は音楽における 「音韻」と「音響」をとりあえず別けています。 この区分は大雑把に言って東浩…
一応説明をしておくと、高校生を主人公としたオムニバスの連作で 一話ごとに話者が変わるんだけど、全員同級生で 第一話は玲奈の視点で語られる話だけど、 二話では話者の薫から見た玲奈が出てくるし、 四話では源一から見た薫が出てくる、といった具合。僕…
菊地が油井正一ら先人が書いたジャズの歴史について (↑って僕はそんなの読んだことないけど) 演奏をしなかったり音楽理論を知らなかったりする人が歴史を編むとしたらこう編むしかないわなーっていうフィギュアもはっきり見えてくるんだよ。 と言ってるん…
おもしろい批評ってのは、新しい音楽の聴き方 (本の読み方、映画の観方、etc)に 読者を開眼させてくれるものです。エレクトリック・マイルスなんて 今まで面白いと思ったこと一度もなかったんですけどね。 ひっくり返ってもOKなリズムでセッションを行わせ…
いや、僕は書かないですよ。誤解しないでね。 非常に明快な小説の技術論なんで、 解説としても最適なのですよ。 小説ってどこをどう面白がればいいのかわからない、 という人は読んでみたらいいかもしれません。 映画の見方がわからないって人は ヒッチコッ…
金井美恵子の小説の登場人物は、一見すると無遠慮な皮肉屋で あまり付き合いたくはない人物ばかりなんですね。 彼らは年中人の悪口ばかり言っていて、 悪口ばかり言う桃子の視点で語られるんで スノッブだったり、ぐずだったりする人物ばかりが この小説には…
iPodのCMにウィントン・マルサリスが出てたり なかなか借りられない菊地成孔の本を ちょっと立ち読みしたりしてて思ったんですけど、 なんか最近、ジャズがアリなものになってないか?と。よくは知らないけど、DJのブームから アシッドジャズなんかの流れが…
東浩紀が主催してたメーリングリストで、 東と鈴木謙介がゲストを招いて行った鼎談をまとめた本。 北田暁大と大澤真幸のもあるけど、 その2、その3を書くかどうかはわかりません。宮台の発言ではっとするものがあったので引用します。 ルーマンによると、…
ゴリラの分類は1種3亜種が主流だったんですが、 2種5亜種って分類になってきてるそうです。 それがどうしたって思うとこですけど、 現在の絶滅危惧種(レッドデータ)の指定は 場合によっては亜種まで含まれるそうなんです。ゴリラは現在レッドデータ指…
著者はゴリラの専門家なんですが、まずは読みやすそうなエッセイから。 サブタイトルは『ゴリラとヒトの父親修行』で、 ゴリラの話と、アフリカでの自身の子育て話が絡むんですね。 僕、こういうエッセイは大好物なのです。 蓮實重彦の『反=日本語論』とか。…
話もちょーおもしろいし、 知的で刺激的な仕掛けがいっぱいしてあって、 そういうの全部読み解けたらもっと面白いんだろうな って思うと、自分に小説を読む力がないのが悔しくなります。例えば「オカミ」ってワード一つとっても、 「若オカミ」なんて書かれ…
ジャンプっ子、りぼんっ子であった僕は、 王道的な少年、少女マンガにはそれなりに親しんでいて、 あまり抵抗無くすんなり読めるんです。しかし、それ以外のマンガ、 例えば中条の言うところの自己放棄=ニヒリズム的なマンガ (王道少年マンガの自己実現に…
グールドはビュフォンという博物学者について書いている。 36巻にも及ぶ『博物誌』という本を書いた18世紀のフランス貴族で、 そんな人だから当然、様々な生物分類も行ってるんですが、、 同時代人でライバルでもあったリンネの分類法(現在でも使われている…
毎度のことながらグールドの博覧強記っぷりには驚く。 ダーウィンやラマルクは本業だから当然だとしても、 ガリレオを原書で読み、マルクスやベーコンから自在に引用し、 縫製工場の火災についての本まで読んでいるのだから恐れ入る。進化生物学者としてのグ…
石川忠司は、小説は内言+描写で出来ている みたいなことを言っていたんだけど、 角田の小説は、描写がちょいとわかりづらいのに対して、 思考プロセスが圧倒的に面白い。角田の登場人物の内言は、一見普通なのだが、 思ってることとやってることが微妙に一…
絲山秋子の日記を久々に見に行ったら 『受賞』がどうたらとか書いてあるんで、 なにを受賞したんだ?と思って調べてみたら いつのまにか芥川賞を受賞していたようです。まぁ前回の受賞者が誰だったのかも知らないわけで、 今回の受賞も知らなくて当然なんで…