2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ダニエル・シュミット『ベレジーナ』『ヘカテ』

詳しく読めなかったので詳細は知らないけれど 『ベレジーナ』のパンフレットの宣伝文句には 「シュミットの最もブニュエル的な映画」と書いてあり 青山真治は「ルビッチ的」な真のコメディと書いていました。 その意味するところは、程よく説話的に調和した…

応用編

この前書いたダンディ/マッチョの区分は意外と応用範囲が広くて 「そう考えるとすっきりすること」が多いです。 真山はマッチョで森田はダンディ、とかね。一見典型的なマッチョ漫画に見える原哲夫・武論尊『北斗の拳』ですが ケンシロウもラオウも、二人の…

ペドロ・アルモドバル『トーク・トゥ・ハー』

舞台を観たり歌を聴いて涙を流すという行為は かなり一方通行な感情の動きです。 アーティストがオーディエンスの感情を感じる という側面はゼロではないけれど おそらくピナ・バウシュはマルコの涙を知らないでしょう。舞台で演じるバウシュにはバウシュの…

知らない男

以前の僕は、湯出しの烏龍茶のパックを常温の水の中に放り込み 振って薄っすらと色のでたお茶風の水を飲むというほどの怠慢ぶり。 しかし今の家にはパックの烏龍茶などありはしないので さしもの僕もお茶の作り方を覚えることにしたのでした。とは言え「沸騰…

増村保造『清作の妻』『赤い天使』

『赤い天使』は『イーオン・フラックス』と偶然とは思えないほど似ています。 看護婦若尾文子が暴れる患者を押さえつける姿はエロティックで レイプを連想させますが、言うまでもなく通常とは男女が逆になっています。 そして彼女は、手術で腕をぶった切られ…

使えない男

同棲している女が、やれ「皿は食ったらすぐ洗え」だの 「洗濯物はたたんだらすぐしまえ」だのとうるさくて頭が痛い。 もちろん僕とて皿を洗わないつもりなどないのですが 好きな時に食って好きな時に洗う生活を続けていたので 他人に合わせるのが億劫な体に…

カリン・クサマ『イーオン・フラックス』

この映画は「リアル」を求める物語なので やはり『マトリックス』を思い出さずにはいられないけれど 『マトリックス』では1999年の世界が日常(ヴァーチャル=想像界≠リアル) だったのに対し、この映画の日常は徹底的に虚構としてあります。その虚構の作り…

遅々として

片付けをしていて困るのは しばらく読んでなかった本を読んでしまったり 失くしたと思っていたCDに聴き入ってしまったりすることですね。 もう1週間切ったと言うのに。

ホウ・シャオシェン『ミレニアム・マンボ』

スー・チーが歩くたびに彼女の髪は生き物のように揺れ 時折振り返りながら軽やかに歩く彼女は生命力に溢れ、 ただ歩いているだけで官能的ですらあります。 さて、この冒頭のシーンは10年後の彼女の回想 という設定のナレーションと共に映し出され、 物語上の…

もう来週なわけだが

こんばんは。 1週間で30リットルのゴミ袋20袋分くらいのゴミを出したwbntです。 いらないものを捨てる作業はそこそこ進んでるのですが まだ荷造りにはまったく手をつけておらず、 引越し屋にもらったダンボールが虚しく壁に立てかけてあります。 そして今日…

ホウ・シャオシェン『風櫃(フンクイ)の少年』

ホウ・シャオシェンはよく「たむろする人々」を撮るのだけど たむろする人というのはある一定の目的を持って集まってるわけではなくて ただなんとなくそこにいる人々であり 大概がてんでばらばらなことをしているものです。また、この映画はカメラがかなり引…

機能異常

この前の日記では「脳を乗っ取っても体が抵抗するだろう」 なんて書いたんですが、 オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』を読んだら 自閉症の人は聴覚がすごく鋭いかわりに痛覚が鈍かったりするし、 フロイト的な意味での性欲がない人もいるようです。 …

黒沢清『LOFT』

今、これを書いている自宅ではネットが繋がらないので 資料に当たることができず俳優の名前が正確にわかりません。 中谷美紀はあっているはずだけど豊川えつしと安達ゆみは漢字がわからない。 西島秀俊に至っては「ひでとし」だったかどうかすらわからない。…

身体的抵抗

セブン・オブ・ナインのボーグから人間への移行は 内面的葛藤である以前に、まず身体的葛藤として現れます。 生体部分の免疫系が機械部分に拒絶反応を起こすのですね。 その後も「ボーグは座らない」とか 「栄養物を口から摂取するのは非能率的だ」とか 人間…

澤井信一郎『Wの悲劇』

「Wの悲劇」とは劇中で演じられる舞台であり 演出家役の蜷川幸雄(笑)が説明するとおり Wは和辻家のWでありwemenのWでもあるのだけれど このwemenは劇中の和辻家の女達のことだけでなく この劇を巡る女達、静香(薬師丸ひろ子)や翔(三田佳子)のことで…

9月の踊るロード賞!

鈴木清順『殺しの烙印』 ジョージ・ルーカス『スター・ウォーズ』(エピソード4) 細田守『時をかける少女』 澤井信一郎『Wの悲劇』 蔡明亮『西瓜』 なんだかんだでフィルムセンターの日活アクションは 10本も観ていないのではないでしょうか。 10月には溝…

9月の踊るヒット賞!

Meredith Monk『Facing North』 Fertile Ground『Seasons Change』 Dream Theater『Octavarium』 Via Tania『Under A Different Sky』 SL@yRe & The Feminine Stoolξ『Phut Cr@ckle Tokyo』 今月買ったCDが一枚も入ってない。 古いのばっか聴いてるのが問題…