三島由紀夫に心酔する自衛官でありながら 韓国政府の金大中暗殺計画に協力する男。 この主人公、富田の設定だけでも この映画がいかに複雑なものかわかる。 まず日本側の自衛隊と公安も思惑がちがうし 自衛隊の中でもみな違う原理によって行動している。 韓…

「世紀末は世紀末か」より引用。 『性的なものは、それ自体が自己否定的なんです。性的欲望の表象が実現されることが先送りされている。…(略)…それは裏を返せば、非常に猥雑なものを内側に抱え込んでいるわけ。脱性化された清らかな状態を実現するために、血…

もうすぐ世紀末である。 2005年になんでそんなことを言うかと言えば、 世紀末の出来事をあとから文脈づけることによって 世紀末のイメージが形成されるのだそうな。例えば、日本の19世紀末のイメージは 1890年代に生まれた新感覚派の作家（川端康成とか）が …

徒歩圏内のレンタルショップには 「バレエ・カンパニー」のサントラは置いてないっぽい。 期待はしてなかったけどさ。数えてみれば、徒歩圏内にツタヤが4店もある。 僕って都会人なんだなぁ。又聞きなんでホントかわからんけど、知り合いの知り合いが 青森の…

どういう表現がふさわしいのかわからないけど 『現れる』というか『浮かび上がる』というか、 本来そこにはないはずの存在が浮かび上がってくる、 とまぁ、そんな映画です。暗闇の中から白いスーツのロシェルが浮かび上がってくる、 強い日差しを反射した白…

一時期、必要があってネットで女性の写真をよく見てました。 （あくまで必要からですよ！） グラビアアイドルの写真も見るわけですが、 熊田曜子という人は綺麗だなぁ思ってました。 で、補足しておくとその時期、僕はテレビをもっておらず まったくテレビを…

NHKのふしぎ大自然で、タガメを特集していた。 子供の頃、昆虫採集が趣味だったのだが 近所にはそれほど良い水場がなく、 水生昆虫は僕の憧れだった。タガメ。 タイコウチやミズカマキリはいたのだが タガメは見たことがない。 詳しくは知らないけど、当時か…

超越的な支持行為は、第三の審級っていう 超越的な主体によってなされるそうな。 しかも第三の審級には実体がないそうな。 なんて言うか、わかりやすいけどつまんない結論に落ち着きそう。 大澤は明晰だけどつまらない、 って評判は目にしたことがあったけど…

韓国の女優は全体的にとても綺麗だと思うんです。 ミド役のカン・へジョンもめちゃカワイイです。Ｌ・Ｏ・Ｖ・Ｅです。 そんなことはどうでもいいんですが、 韓国の男優の顔っておかしくないですか？ デス役のチェ・ミンシクはいいと思うんですが、 ウジン役…

この映画の敵役であるウジンの愛は、偶然なものなんだけど、 その愛がもたらして結末にウジンは縛られていて その愛を絶対的なものだと思い込もうとする。 そのために主人公デスが必要だったというわけです。で、デスとミドの愛は、ある意味で絶対的なものだ…

ビデオテープの処遇に困っております。 100本くらいあるんですけど、ここ5年で1回か2回観たかどうかってところ。 持ってても無駄なんじゃないかと思わないでもない。 これから先、観たくなることもあるとは思うけど その可能性のためだけに押入れの一角を占…

大澤真幸「行為の代数学」によれば 『H・L・A・ハートによって提起された一次ルール／二次ルールの概念』は 『言及されて明示化されたルールが、「一次ルール」であり、言及の営みを支配するルールが「二次ルール」である。』 ここでは二次ルールは一次ルー…

セーターや上着と一緒に着るならシャツは断然、白系があわせやすい。 （↑『あわせる』の漢字わからん。『合わせる』か？） 黒と紫のシャツをもっているんだけど 上着とのコーディネートに悩んだあげく 春先と9月くらいのわずかな期間しか着なかったりする。 …

デイヴィド・ブルアによるとメアリー・ダグラスは よそ者から身内を区別する境界をグループ、 集団内の組織化の程度をグリッドと名づけ 4つに類型化した（『ウィトゲンシュタイン：知識の社会理論』より） ①グリッド強 ②グリッド強 グループ弱 グループ強 ③…

洗濯したいなーって時に天気が悪いと困ります。 下着の残りが少なくなってくるとビビりますよね。 まぁ手洗いすればいいんですけど。 夏なんて特に洗濯物が少ないから 洗濯カゴがなかなかいっぱいにならなくて Ｔシャツも足りなくなったりします。 ところで…

バレエなんてライブではもちろん 映像でもほとんど観たことなかったんですけど 2時間じっくり観るとすごいですねー。 彼らは動き、身体、おそらくは内面においてまで エロスというもの徹底的に様式化しているように見えます。 様式化してるってのがポイント…

どっかのバレエ団を撮ったドキュメンタリーだと思ってたんだけど 借りてみたら完全にフィクションでした。 ネーブ・キャンベルがちゃんと踊ってるからびっくり、 たぶん昔バレエやってたんでしょうね。 ちゃんと見る目がある人が見たらアラがあるんだろうけ…

半分頭がいかれた小説家兼エンジニアが 永久機関の開発に挑んだ日記。 訳者のあとがきにあるように 『彼はユートピア的なものと手近に実現可能なものとをいちいち厳密に区別している』のだが この二つの間を時に自虐的に 時に空想にふける子供のように行き来…

「世界の中心で愛をさけぶ」の事を考えると 僕は柴咲コウが「黄泉がえり」で歌ってた あの主題歌を思い出してしまう。 柴咲コウと長澤まさみがかぶってるからかなぁ。セカチューの話を人としている時に 『会いたーいとー思う気持ちがー』 って歌ってしまって…

俳優にとって顔と脳みそはとても重要なわけです。 柴咲コウは顔はとてもいいけど、すごーく頭が悪いですね（失礼） 竹内結子は頭はすごーくいいけど、顔がダメです。 顔の良し悪しってのは美人不細工って意味じゃなくて 画面に写し出されるのに耐えられるか…

大資本とテレビも絡んだメジャー映画ってことで きっついなーってシーンもあるんだけど 厳しい条件下で塩田はそれなりの仕事をした、 なんて言い方ではすませらんないものがあると思う。たしか青山真治が『塩田明彦は復古主義者である』 みたいな事を言って…

昨日、思わずただで観ることになった（嘘だけど）お得な映画。 昨日の日記でやたら疲れたと書いたのだが 疲れたのは映画を2本観たからじゃなくて この映画を観るのに疲れたのではないのかと思い直した。 よくよく思い出してみるとジャームッシュの映画は 観…

主人公アンヘルは様々な生を生きる。 とは言ってもかれは変幻自在のカメレオンのような存在ではない。 「ふたくちおとこ」のティルが 粘土か何かのように次々と、そして軽々と 別の存在に生成変化するのに対して アンヘルはゆっくり時間をかけて 子供が大人…

昨日の「ふたくちおとこ」についての文章を 水野晴郎のパクリで締めたのには 特に意味があったわけではないのだが 水野も淀川長治もおすぎもゲイであるこは周知の事実だ。性的マイノリティであるゲイは 男女間の性器的な欲望に回収されないエロス というもの…

音楽をかけながら何かする人は多いわけですが 私はけっこうBGMが苦手だったりします。まず、作曲をする時は絶対にダメです。 僕はテキストエディターでプログラムを書いて作曲するので 音を鳴らさなくても曲を作れるのですが 曲を頭の中でイメージする時に別…

『ふくらはぎの筋肉が、もぐらでも縫い込んだようにふくれている』 この一文がどれほど濃密なエロスを放っていることか。 この小説を読むと人間の欲望というものが 言語というものに侵されていることにあらためて気づかされる。脚というもの対するフェティッ…

けっこう何度も観ていると思うのだけど 今回はじめて気がついたのは空の描き方。 街についた後、パン屋の二階で寝るまでの間の時間の経過が けっこう細かく描き分けられてるんです。 特にジジが『夕方になっちゃうよ』って言ったあとの 夏でいったら17時前く…

他人の美的感覚についてはわからないので 自分の実感にもとづいて言うしかないのだが 良い音楽というものを考えてみた時に 『新しさ』というのはかなりの比重を占めている。『新しさ』と『美しさ』は別のものではないのか、 新しいものを美しいと思ってしま…

CGがすごいと思った映画と言えばまずは「ターミネーター２」で この世にありえないものをコンピュータの力で作り出してしまった というところががすごいわけです。 もう一つは「フォレスト・ガンプ」で、 こっちはあり得たかもしれない架空のシーンを CGとは…

「憂鬱な楽園」のDVDに監督のインタビューが入ってて それによると脚本も曖昧なまま ほぼぶっつけで撮影してたらしい。 セットとかロケハンを厳密に固めた上で アドリブで撮ったのかと僕は思ったんだけど たぶんセットもそんなに厳密ではないんだろう。 半分…