2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小沢健二『Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学』

これはすごいですよ! 僕の知る限り、21世紀の5年間で作られたものの中では 最も高度に考え抜かれた音楽です。1曲目『The River あの川』について。 最初から最後まで鳴っている音は和音のディレイだけ、 もう一つ、途中で鳴ってないとこもありますが、 左右…

3月の踊るロード賞!

ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』 クリント・イーストウッド『トゥルー・クライム』 ヴィム・ヴェンダース『都会のアリス』 エドワード・ヤン『恐怖分子』 藤田敏八『修羅雪姫 怨み恋歌』うーん…チョイスが保守的。せっかく新作4本も観た…

3月の踊るヒット賞!

David Sylvian『Everything and Nothing』 LSK『LSK』 Metallica『Master of Puppets』 Blaze『Best of Blaze』 piana『ephemeral』ベスト盤が2枚入ってます。僕はベストよく聴くんですよね。 レコードコレクターではないんで、ブレイズがいいと言ったって …

悲しみと疑問

お気に入りの靴下をかたっぽ失くしました。 しかし、同じのがもう一足あるので、 取っておけば、また失くしたときの保険になります。ところで靴下とか靴って、左右揃いで一足ですよね? かたっぽだけのときはどう数えるんでしょうか。

ジャン=ピエール・リモザン『NOVO/ノボ』

長年ゴダールを支えてきた録音技師フランソワ・ミュジーが ゴダール以外の監督と組んだ映画を観て(聴いて)みたい と思って借りてきたんですけど、内容のほうも面白い映画でした。 ツタヤで、どこにあるのかと探し回って、 「エロティック・ドラマ」の棚で…

アルノー・デプレシャン『二十歳の死』

二十歳のパトリックが猟銃で自殺を図り、危篤状態のため 親戚中が集まってくる、という話。 この一家を描いた群像劇って言って良いものだろうか…。 特定の主人公はいなくて、一家全員を描いた映画なんだけど、 個々の人物をきちっと描くわけじゃなくて、 ふ…

買えばよかった?

先日、1週間で数十軒の家具屋巡りをした僕の元に、 椅子を買いたいから家具屋を周るのに付き合ってくれないか、 という依頼が再び舞い込んできました。 僕の周囲では今、ちょっとした家具ブームのようです。 まぁ、引越し&新生活の時期だからでしょう。で、…

エドワード・ヤン『恐怖分子』

この映画の登場人物たちは皆フワフワと不定形で 何を考えてるのかわからないんですね。例えば、カメラマンのシャオチャン(リウ・ミン)は 全く中身がカラッポの容器のような人間で、 カメラと同一化して、世界をただ写すだけの機械 って感じの存在です。こ…

子を持つ親

道端で小さい子供二人と若い両親が遊んでまして、 その横を通り過ぎようとしたときに、 僕から見て後ろ向きになってた父親とぶつかったんですね。 で、僕は振り向きざまに軽く頭をさげて立ち去ろうとしたんですが、 彼は「痛ーな、ぶつかんなよ」と因縁をつ…

フェラーリのイベント その2

トークショーで面白かったのは、 悠治が徹底的に政治的に語っていたこと。 例えば、映画の中でのフェラーリ夫妻の仲の良さについて 「夫婦が親密だってのは、フランス国内で孤立してるってこと」 みたいなことを言っていました(笑)フェラーリは『東京日記』…

秋葉原と美意識のはざまで

知り合いがメイド喫茶を始めたそうなのですよ。 行ってみたいんですけど、メイド喫茶に一人で通うようになったら 人間として大切な何かを失うような気がするのですよ、僕は。 慣れてしまえばどうってことないことだとは思うんですけどね。 行った時点でもう…

宮岡秀行『リュック・フェラーリ--ある抽象的リアリストの肖像』

オープニングイベントだったので、 『リュック・フェラーリ東京日記』のデモ上映、本編上映、 高橋悠治/足立智美/宮岡秀行によるトーク。 正直、ドキュメンタリー映画として観たときに 僕には何も思うことがないので、フェラーリについての話。 フェラーリ…

歌う男

福山雅治やラルク・アン・シエルの歌を大声で歌いながら ウチの脇を自転車で走り抜けていく青年がいるんですね。 (前にも日記に書いたおぼえがあります) いつもは既成の曲なんですけど、昨日は、 B'zの稲葉さんみたいな歌い回しで 「ふみきーるぃがしむ…

金井美恵子『小春日和』

金井美恵子の小説の登場人物は、一見すると無遠慮な皮肉屋で あまり付き合いたくはない人物ばかりなんですね。 彼らは年中人の悪口ばかり言っていて、 悪口ばかり言う桃子の視点で語られるんで スノッブだったり、ぐずだったりする人物ばかりが この小説には…

二択

初対面の女性に「アンヌ・ヴィアゼムスキーって女優に似てる」 と言ったんですが、通じませんでした。 ヴィアゼムスキーは大好きなので、褒め言葉のつもりです。 もちろん通じるだろうとは思ってなかったですけどね。 しかし、知らない女優の名前なんて出さ…

ジャン=リュック・ゴダール『アワーミュージック』

序章の地獄編が終わったあと、煉獄編の最初の方では、 ユダヤ人ジャーナリストのおねーちゃん(サラ・アドラーかな?)が 大戦の頃に何かあったらしい大使と、 インタビューの枠を超えた和解の可能性を探ろうとします。また、インディアンの夫婦が登場し、 …

蛭子さん

バラエティ番組での蛭子能収の扱いに納得がいかないのです。 例えば、ガッツ石松であれば、どんなにバカなことを言おうとも 元世界チャンピオンであることは、常に留保されているんですね。 ガッツやデーブ・スペクターは「すごい人だけど変なおじさん」 と…

ジャン=リュック・ゴダール『愛の世紀』

『アワーミュージック』のパンフレットで菊地成孔が 『愛の世紀』から音響設計がかわってちょっと丸くなった、 というようなことを書いてたんですね。 公開時(2002年)に観たときは、そういう印象はなかったんで、 今回じっくり聴いてみました。 結論から言う…

昨日の続き

アンビエント・ミュージックについてどう思うか、 という質問に対して、坂本龍一が 「アンビエントは好きだけど、アンビエント好きは嫌いだ」 と答えてるんですけど、これを読んだとき、 もやもやしてたものが色々すっきりした覚えがあります。 ロックは好き…

東浩紀『波状言論S改』その2

iPodのCMにウィントン・マルサリスが出てたり なかなか借りられない菊地成孔の本を ちょっと立ち読みしたりしてて思ったんですけど、 なんか最近、ジャズがアリなものになってないか?と。よくは知らないけど、DJのブームから アシッドジャズなんかの流れが…

今日は下ネタです

友人と雑誌を見てたとき、 「このプラネタリウム、○○君が買おうかなって言ってた」 という話を聞いて、その人は天文マニアでも何でもないんで なんでそんなもんが欲しいのか疑問に思ったんですね。星を見るのが嫌いっていう人はあんまりいないし、 誰かがく…

ウェス・アンダーソン『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』

例えばカラックスの映画であれば 突拍子もないと言っていい物語に対して、 登場人物たちは、微妙なニュアンスを持っていて 切ったら血が出そうなキャラクターなんですね。突拍子もない物語を成立させるのに、 説得力のあるキャラクターが必要なわけです。 (…

昨日の続き

刺激=反応的に音楽を聴く人と意味的に聴く人の違いについて。 一つの答えとしては、宮台真司のサイトから引用ですが、「排外的愛国主義にコミットするのは、日本に限らず、低所得ないし低学歴層に偏ります。 」 http://www.miyadai.com/index.php?itemid=33…

東浩紀『波状言論S改』

東浩紀が主催してたメーリングリストで、 東と鈴木謙介がゲストを招いて行った鼎談をまとめた本。 北田暁大と大澤真幸のもあるけど、 その2、その3を書くかどうかはわかりません。宮台の発言ではっとするものがあったので引用します。 ルーマンによると、…

動物的管理?

いわゆるギャルゲーのキャラが歌う曲をいっぱい聴いたんですが、 キャラの人気によって露骨に作りこみの度合いが違うんですね(笑) 人気キャラが出来のよい曲を歌うことによって、 さらに人気があげ差別化を図る、という回路ができているわけです。おそらく、…

レオス・カラックス『ボーイ・ミーツ・ガール』

ルルーシュ、ガレル、カラックス、あたりから オゾンに至るようなヌーヴェルヴァーグ後のフランス映画 (って一括りにするのもどうかとは思いますけど) が僕はどうも苦手(嫌いってことではなく)なのですね。↑の人たちの映画って、いいと思うのもあるんだ…

はじめの一歩

僕は眉毛が濃くて太くて毛も長いんですね。 なので、散髪(3mmバリカン)した後は 髪の毛より眉毛のほうが長くて(笑)明らかに不自然なんです。 だから、散髪した後はいつも「整えたいなぁ」って思うんですよね。男性が眉毛を整えるのを恥ずべきことだとは思…

山極寿一『ゴリラ』

ゴリラの分類は1種3亜種が主流だったんですが、 2種5亜種って分類になってきてるそうです。 それがどうしたって思うとこですけど、 現在の絶滅危惧種(レッドデータ)の指定は 場合によっては亜種まで含まれるそうなんです。ゴリラは現在レッドデータ指…

謎の店

先日、四谷にある柳宗理の店に行きました。 これが、オープン水−金、13:00〜17:30というナメた営業なので、 たぶん店舗というよりショールーム的な役割なんだろう というのが行く前の予想だったんですけど、 めちゃくちゃわかり難い場所にある上に、 6畳く…

ガス・ヴァン・サント『ラストデイズ』

何本かしか観てませんが、ヴァン・サントの映画においては 「結末の見えた物語」をどのように収束させるか というのが重要なテーマの一つになっています。「カート・コバーンの死に着想を得た」 と事前にアナウンスしている以上、 観客は、マイケル・ピット…