中条省平『読んでから死ね!現代必読マンガ101』

ジャンプっ子、りぼんっ子であった僕は、
王道的な少年、少女マンガにはそれなりに親しんでいて、
あまり抵抗無くすんなり読めるんです。

しかし、それ以外のマンガ、
例えば中条の言うところの自己放棄=ニヒリズム的なマンガ
(王道少年マンガ自己実現に対立するもの)
なんかは苦手で、読んでてめんどくさくなってくる。

映画だったらヘビー級の内容でも観られるってことを考えると、
ちびっ子のころから空気のように親しんだ少年、少女マンガ以外は、
それを受け入れる回路がきちっと形成されてないのでしょう。
多分に訓練の問題だと思うわけです。

自分なりの分析だと、マンガのもつ様々な要素、
絵、コマ、セリフ、キャラ、ストーリー、
ってのを有機的に結びつける回路が
僕には成立してないように感じます。

それらの要素の総体が一つの作品を形づくるわけですけど、
僕の場合、そのうちのどこかの要素が突出しちゃうと
とたんに、総体としての感覚が失われて、
個々の要素に分解されちゃう感じがあります。
で、そこら辺の要素がバランスよく統合されてる、
少年、少女マンガだとすんなり読めるわけです。

まぁ簡単に言えばディテールを楽しんでないわけですね。
高校生の時に、ヒッチコックトリュフォーの『映画術』
を読んで基本的な映画の観方を学んだように、
この本が立派なマンガ読みへの道になってくれればいいんですけど。
ホント言うと、もっと技術論的な教科書が読みたいんですけどね。