音楽

(1)落ちる水 (2) 照明用ガス、が与えられたとせよ

ケージの「偶然性」は、可能性の総体であるとか、決定不能性の概念と関係づけて考えられがちで、それが間違っているとは思わないし、僕もそういう方向で考えて来たのですが、岡崎乾二郎によれば必然性を導入するためのシステムでもあります。 たとえばサイコ…

菊地成孔『聴き飽きない人々』

バンドネオンの奏者は、日本の民謡界における三味線だとか琴だとかと同じで、ものすごい愛憎がバンドネオンに対してあるんだってことですね…(略)…そういう愛憎入り乱れてるポストモダニストの作品を聴いてもひとつも面白くないんですよ。それで、バル・スー…

6月の踊るヒット賞

Morton Feldman『ピアノと弦楽四重奏』 BoA『Listen to my heart』 Mouse on mars 『Niun niggung」 Loop Session『Bad soup hidden』 Raul Midon『State of mind』 今、「3分間でフェルドマン」というコンセプトで曲を作っています。 8月11日に発表する予定…

5月の踊るヒット賞!

Laibach『Kapital』 Sleeping people『sleeping people』 Labyrinth『Labyrinth』 Leyode『fascinating tininess...』 Miles Davis『kind of blue』 菊地成孔の「知るを楽しむ」第一回を録画した方いらっしゃいませんか。

全体/偶然

ウチの近所では、河川敷のクローバーは葉が大きく、公園のクローバーは平均してそれよりも小さい。 と言っても、同じ公園のクローバーでも株ごとに葉の大きさは違いますし、もちろん葉の一枚一枚に至るまで完全に同じ大きさのものなどありません。 ここから…

『B2 Unit』は100年後にも聴かれているか

『谷川俊太郎が聞く武満徹の素顔』という本に坂本龍一へのインタビューも入ってまして 「二十世紀はたいした文化を生んでないと僕は思っている。メシアンはブーレーズを育てたという功績はあるけども、100年たったらメシアンの曲など、ほとんど誰も聴いてい…

4月の踊るヒット賞!

Iannis Xenakis『Eonta / Metastasis / Pithoprakta』 Metallica『...And justice for all』 Hair Stylistics『custom cock confused death』 Pinback『Summer in abaddon』 矢野顕子『ごはんができたよ』 ちょっとやかましいのをよく聴いていました。 中原…

ひみつのアッコちゃん

矢野顕子のアルバムは何枚か持ってるけど、結局のところ何度も繰り返し聴くのはMIDIレーベル時代「Co-Produced by 坂本龍一」のものばかり。 『愛がなくちゃね。』とか『ごはんができたよ』とか。 これらはとても好きなアルバムなんですが、僕が「とても好き…

マークはずす飛び込みで僕はサッと奪いさる

『ドアをノックするのは誰だ?』を聴いていたとき 「あんたもダッフルコートとか着ればいいのに」 「そうだよ。オザケンより似合うと思うよ。モテるかもよー」と言われた。 余計なお世話ですね。 それはそうと、僕はその会話に違和感を感じてちょっと考えた…

3月の踊るヒット賞!

小沢健二『Life』 Iced Earth『The Glorious Burden』 Cyne『Time Being』 Young Disciples『Young Ideas』 The Dylan Group『Ur-klang Search』 ソロを聴くと二人とも天才じゃないかと思うんだけど、 フリッパーズ・ギターを面白いと思ったことは一度もない…

ライブ・ミュージックの可能性

音楽は時間芸術である。これはまぁ普通に考えればわかる。 誤解されがちだと思うのは、音楽は「今ここ」に現れて消えていく音による「現前性」の芸術では必ずしもないということだ。 (「必ずしも〜ない」であって、現前性とは無関係ということではないので…

独唱

もともと独り言は多いほうなのだが、この前のは最高に酷くて 「ビーリージーン、ズノッマイラーヴァー、アッ!」 とまぁご丁寧にシャウトまで入れて歌ってしまった。 電車の中で。けっこうデカイ声で。 しまった!と思った時にはすでに遅し。 隣の席も前の席…

純粋な音楽ファンのための音楽論

『Fashion News』で菊地成孔が『服は何故音楽を必要とするのか』という、ショーで使われた音楽の分析をする連載をしている。 たまに立ち読みで読んだりするだけできっちりフォローはしていなかったのだが、 家にある分をまとめて読んでみたら(と言っても5冊…

2月の踊るヒット賞!

N*E*R*D『In Search Of...』 Don Caballero『World Class Listening Problem』 John Zorn『Film Works: 1986-1990』 Gato Barbieri『Last Tango In Paris』 武満徹『翼(Wings)』 ポストロックって苦手だなぁ、とずっと思っていたのだが、 最近聴き方のコツ…

他には何も残さなかった

喫茶店で武満の『死んだ男の残したものは』がかかっていて 聴いたのは数年ぶりだと思うのだがえらく感動してしまって 家に帰ってからCDを引っ張り出してきたり、 別のヴァージョンを図書館で借りてきたりして、 このところちょっとしたマイ・ブームになって…

トム・ジョンソン作品演奏会

音楽の三要素、リズム、メロディ、ハーモニーのうち、 ハーモニーは同時に鳴っている複数の音同士の関係に、 リズムとメロディは前後の音との関係によって成立する。 「音楽は音そのものではなく、音と音との関係を聴くものである」と言うこともできる。 「…

言葉の問題

↑の話を同居人にしているときに、僕が「素人童貞」という言葉を口にしたところ 「え?何それ?…えっと、素人?童貞?あ…もしかして素人としかそいうことしたことが?…違うな、玄人…だから…えーと逆か!…あ、なるほどぉ。そんな言葉があったんだ!」 と一人で…

ピーター・グリーナウェイ『ジョン・ケージ』

この前観た『グラス/モンク』と同じ『4 American Composers』シリーズ。 この前もアップリンクでケージの別のドキュメンタリーを観たが、 どちらも「これを観ればケージのことがわかる」というものではない。 というか、『サイレンス』や『小鳥たちのために…

ピーター・グリーナウェイ『フィリップ・グラス/メレディス・モンク』

グリーナウェイがテレビ用に撮ったドキュメンタリーシリーズの一つ。 悪口は書きたくないので作品名は挙げないが、 「音楽ドキュメンタリーとはこれほどつまらないものなのか…」 と思わせる映画を最近何本も続けて観たので、とりあえず映像と構成の質の高さ…

多数者の音楽

「メタリカのリフ・スタイルを完成させたのは俺だ!」 とデイブ・ムスティンは豪語していたらしいですが メガデスにはなくメタリカにしかないような音は存在します。 (注:デイブはメタリカをクビになったあとメガデスを結成した) もちろん、メガデス的な…

1月の踊るヒット賞!

Cornelius『Sensuous』 Kaskade『Here & Now』 Kip Hanrahan『Desire Develops An Edge』 Combo Piano『Agatha』 Martha Argerich『Schumann: Kinderszenen, Kreisleriana』 『クライスレリアーナ』は「弾けたらいいだろうなぁ」と思う憧れの曲ナンバーワン…

前衛の成立

戦後の前衛音楽が花開いたのはドイツのダルムシュタットです。 「戦後の」などと書きましたが、そもそも戦前の前衛音楽 (新ウィーン楽派やヴァレーズ、メシアンなど)は超マイナーでして 彼らが評価されたのもダルムシュタット以降の話で 「前衛音楽は戦後…

12月の踊るヒット賞!

The Matthew Herbert Big Band『Goodbye Swingtime』 Tujiko Noriko『少女都市+』 Pierre Bastien『CAT 119 Mecanoid』 Adriana Calcanhotto『Parangoue Pamplona』 Ikue Mori『Labyrinth』 マシュー・ハーバートのビッグバンドは素晴らしいです。 今年買っ…

フィジカル!

小さいライブハウスでライブを観てきました。 目の前で生楽器の演奏を見るというのが久しぶりで、 演奏が始まると、もう曲がどうこういう以前に、 低音からウワーッと立ち上がるヴァイオリンの音だけで 全身に鳥肌が立ってしまいます。普段パソコンで音を作…

11月の踊るヒット賞!

Art Zoyd『Metropolis』 Me'Shell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』 Astor Piazzolla『Maria De Buenos Aires』 Maurizio Pollini『Chopin: Etudes』 坂本龍一『Media Bahn Live』 棚を整理していると買ったのにあまり聴いてな…

イクエ・モリ/高橋悠治/内橋和久 LIVE

そっけないけどこういうタイトルなのだから仕方がない。 これでは誰がメインかもわからないけれど誰がメインでもない。 おそらくそういうライブを目指したのだと思われます。モリがラップトップ、悠治がピアノとラップトップ、 内橋はペーパーナイフのような…

最近ライブに行っていない

知り合いのライブを除けば 今年になって5回もライブを観ていないのではないか。 それに前に行ったのも(友達のを除けば)悠治のだったと思う。 これで音楽愛好家と言えるのであろうか。 クラブなんて今年一回も行ってない。映画の上映情報を収集する手段は確…

ケージから学んだこと

前にも書いたんですが、音響的にはケージはちょっと苦手で (つまりCDで聴いてもそんなに面白いと思わないのいですよ) それほど聴きこんでいるわけではないんですが、 僕だってちょっとくらい影響を受けているわけです。 プリペアドピアノ、4分33秒、チャン…

10月の踊るヒット賞!

Heiner Goebbels『The Man In The Elevator』 Latrice『Illuminate』 中山千夏・高橋悠治『ぼくは12歳』 SInuous Productions『The Jazz Council』 Andre Previn/London Synphony orc『Rhapsody in blue』 今月一番のヒットは 「私に劣るとも勝らない千秋」…

9月の踊るヒット賞!

Meredith Monk『Facing North』 Fertile Ground『Seasons Change』 Dream Theater『Octavarium』 Via Tania『Under A Different Sky』 SL@yRe & The Feminine Stoolξ『Phut Cr@ckle Tokyo』 今月買ったCDが一枚も入ってない。 古いのばっか聴いてるのが問題…