ロバート・アルトマン「バレエ・カンパニー」

どっかのバレエ団を撮ったドキュメンタリーだと思ってたんだけど
借りてみたら完全にフィクションでした。
ネーブ・キャンベルがちゃんと踊ってるからびっくり、
たぶん昔バレエやってたんでしょうね。
ちゃんと見る目がある人が見たらアラがあるんだろうけど。
彼女以外のダンサー役の人は全員プロだそうな。

一応ストーリーのある映画なんで
ダンサーが踊るシーンをひたすら撮ってるわけでもないし、
かといって、出演者をプロのダンサーで固めてるくらいだから
ダンスシーンにかなり力を入れていて
物語の進行の方便として、
バレエ・カンパニーが設定されてるってことでもない。

超絶的な肉体を持ったダンサーたちが
カンパニーを出れば普通の若い子たちとかわらなかったり
(そんなの当たり前なんだけど)
普通の若い子たちが日常を離れていざダンサーとして立つとき
同じ人間とは思えないほどの輝きを放つっていう
この二つが交錯していくわけですな。

アルトマンは感情なある生身の人間として彼らを描きながら
彼らに感情移入せずに適度な距離を保ってます。
ただ、重要なのはこの距離が離れすぎて
ドキュメンタリータッチになってきちゃうと
それはそれで彼らの感情が前景化してきちゃうわけで
『適当な距離』を保ちながら彼らのドラマを描く
ってところがアルトマンの腕なわけですね。

冒頭の公演で使われてる
アート・オブ・ノイズFM音源使ったみたいな曲がいい。誰だろ。
この曲だけのためにサントラ買うのバカらしいなぁ。
ツタヤに置いてないかなぁ。