パク・チャヌク「オールド・ボーイ」

この映画の敵役であるウジンの愛は、偶然なものなんだけど、
その愛がもたらして結末にウジンは縛られていて
その愛を絶対的なものだと思い込もうとする。
そのために主人公デスが必要だったというわけです。

で、デスとミドの愛は、ある意味で絶対的なものだし、
ウジンの策略によって、ほぼ必然的に愛し合うことになるわけです。
このデスの絶対的な愛が
怒れる男として暴れまくってきた彼の怒りを破壊し、
そしてウジンの幻想をも破壊してしまうさまが
この映画の見所の一つなわけですが、
なんと言ってもすごいのは
必然的な愛として成立していたデスとミドの関係を、
デスが最後に偶然的なものとして再構築しようとするところ。

この結末はかなりグロテスクで
現実的に言ったらとても肯定できませんけど
彼の姿はやはり胸を打つものがあります。
この先二人がちゃんと避妊することを願うばかりです。