音楽

『高橋悠治による北園克衛と足立智美による新國誠一』

とりあえず説明すると、高橋と足立が音楽家で北園と新國が詩人。 詩に造詣の深い音楽家による詩の解釈ってことらしいんですが 僕は詩のことはまーったくわからないのでとりあえず音楽のことだけ、 というか悠治のことだけ書きます。最近、モンクとライヒの曲…

ちょっとした不都合

メレディス・モンクをiTunesに入れたのは最近のことなんですが、 以前はアルファベット順でメガデスの次はメタリカで、 よく「今日はメタルな気分だなー」って時に メガデスとメタリカのアルバムを続けて聴いてたんですよ。で、この間それをやろうしたらメガ…

Meredith Monk『Facing North』

http://www.amazon.com/Meredith-Monk-Facing-North/dp/B00000E563 ↑試聴できますモンクはミニマルミュージックの作曲家と言われていて 実際彼女の曲はミニマルな反復によってできているのだけれど ライヒやライリーとモンクでは根本的に違う気がします。ラ…

8月の踊るヒット賞!

電気グルーヴ『SINGLES and STRIKES SINGLES』 Blind Guardian『Somewhere Far Beyond』 Nitin Sawhney『Beyond Skin』 Steve Reich『Three Tales』 RX Bandits『Those Damn Bandits』 なんか知らんけど、ふと気づくとポケットカウボーイを歌っております。 …

今月の踊るヒット賞!

Hermeto Pascoal『Festa Dos Deuses』 Tujiko Noriko『Blurred In My Mirror』 Planet X『Universe』 Bloc Party『Silent Alarm』 MC Conrad『Vocalist 01』 パスコアールはすごいですね。 今まで聴かないで生きてきた自分が可哀想です。 マイルスの『ライブ…

感情教育

A:Xみたいなやり方はダメだよ、Yみたいにやんなきゃ。 B:XみたいにやるよりYみたいにやったほうがよかったんじゃない? AとBはほとんど同じことを言っていますが 人間ってのは不思議なもんで、 僕はBの意見だったら受け入れることを検討しますが…

姜尚中、テッサ・モーリス=スズキ『デモクラシーの冒険』

現代に蔓延するデモクラシーに対する無力感について 政治的決定の「消費者」の地位に 現在の多くの人が追いやられてしまっていることが 大きく関係しているのではないか、 というような話が書かれています。70年代くらいまでは、市民による抵抗が 政治に対し…

MUSIC/SOUND

さて、今日の講義は音楽家のエドワード・ショッカーでした。 若いしそんな有名じゃないんでみんな知らないでしょう。 僕もアナウンスされるまで知りませんでした。 通訳無しの英語の講義だったので、 わかりやすい語彙でゆっくり喋ってはくれたけど 半分も理…

探し物

イサン・ユンの『GASA』を探してたんですが ジャニスにもSMALL MUSICにも(もちろんツタヤにも)ないんで これはもう買うしかないのか、 と思ったら図書館にありました。 勧められた盤ではないんですけど。 クラシック系はやはり図書館が強いですね。

失敗の美学

昨日は巻上公一さんの講義でした。 カール・ストーンと言い、連日の大物続きです。いろいろ面白い話をしてましたが、 「ヒカシューのキーボードの井上さんは、 コードを押さえないで1音か2音で弾く。 ちゃんとコード押さえちゃうと上で歌える音が限定されち…

カール・ストーンがやって来た

http://www.sukothai.com/ ↑soundで試聴もできます 現在のような意味での「引用」の概念がなかったころから コラージュなどによって音楽を作ってきたカール・ストーンは 配られた資料によると「サンプリングの帝王」などと言われているらしい。フェラーリも…

5月の踊るヒット賞!

Speech『Spiritual People』 Rei Harakami『Opa*Q』 Carl Stone『Four Pieces』 Evil Nine『You Can Be Special Too』 菊地成孔『南米のエリザベス・テイラー』 聴く時間がないわけではないんですが 買ったのに聴いてないCDが多数。なんとかしなきゃ。

メモランダム2(音韻/音響)

昨日は「音韻」と「音響」について 何の説明もなしに書いてしまったわけですが(笑) 音響とは文字通り音楽における音響物理学的領域、 音韻とは、もっと情報的(?)な領域、 もっともわかりやすいのは楽譜ですね。 で、菊池・大谷は音響的領域の肥大について語…

メモランダム(音韻/音響)

図書館で予約待ちすること数ヶ月、 菊地成孔・大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』を やっと借りられました。 まだちょっとしか読んでないんですけど。菊地と大谷は音楽における 「音韻」と「音響」をとりあえず別けています。 この区分は大雑把に言って東浩…

4月の踊るヒット賞!

三輪眞弘『赤ずきんちゃん伴奏器』 小沢健二『毎日の環境学』 Everything But The Girl『Temperamental』 Erast『Cyberpunk』 The J.B.'s『Bring The Funk On Down』 5月も1週間たってから突然書いてみます。忘れてた。 恒例行事ってわけでもないんだけどさ…

地球デビュー20周年記念・恐怖の復活祭

29日の深夜に聖飢魔IIのライブをNHKで放送したそうです。 「したそうです」と言うからには僕は知らなかったのですね。 で、放送が終わった頃に知人から 「聖飢魔II見たよ。ライブちゃんと見たの初めてだけど面白いんだね」 などというメールが来ました。 …

それ誰の曲?

ボタン一つで勝手に作曲してくれるプログラム、 これを使って曲を作ることもできるけど、 このとき作曲したのはボタンを押した人だと言えるのか。 ソフト会社のプログラマーに「俺の曲だろ」 って言われたら反論できるかどうか。 (著作権の話じゃなくて、作…

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追記: 試聴用MP3は削除しました。 ここを見てCD買ってくださった方(そんな人がいればですが) ありがとうございました。

テクノロジーと創造性 その2

ちょっと間が空いたけど、この前↓の続き。 http://d.hatena.ne.jp/wbnt/20060419#1145435711 いつものごとく結論は出ません、たぶん。J.S.バッハの『平均律クラヴィーア曲集』は、 平均律と訳されているけれど、厳密には 「ほどよく調律されたクラヴィーアの…

音楽にとって美とはなにか

僕がとても尊敬している作曲家である 三輪眞弘さんの講義を聴いてまいりました。 以下は「三輪さんの話を聞いて僕が考えたこと」なので 正確に三輪さんの話ってわけではないのでご注意を。とか言いつついきなり自分のことから書きますが、 僕はコンピュータ…

テクノロジーと創造性

知人と三人で、テクノロジーと作曲についての話をしていて はたと考え込んでしまいました。 メンバーは、僕も含め三人とも電子機器を用いて音楽を作るんですが、 「ボタンを押すと勝手にフレーズができちゃうプログラム」 について、意見が割れたのですね。…

でもやっぱり音楽批評は難しいということについて

菊地が油井正一ら先人が書いたジャズの歴史について (↑って僕はそんなの読んだことないけど) 演奏をしなかったり音楽理論を知らなかったりする人が歴史を編むとしたらこう編むしかないわなーっていうフィギュアもはっきり見えてくるんだよ。 と言ってるん…

菊地成孔・大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー』

おもしろい批評ってのは、新しい音楽の聴き方 (本の読み方、映画の観方、etc)に 読者を開眼させてくれるものです。エレクトリック・マイルスなんて 今まで面白いと思ったこと一度もなかったんですけどね。 ひっくり返ってもOKなリズムでセッションを行わせ…

Oval+Christophe Charles『dok』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000004B3G/ ↑ちょびっと試聴できます。このアルバムの何がすごいって、モノラルなのですよ。 音像の定位って、コンピュータ音楽においては 色々いじって遊べる、かなり重要な要素なんですけど、 マーカス・ポップ…

小沢健二『Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学』

これはすごいですよ! 僕の知る限り、21世紀の5年間で作られたものの中では 最も高度に考え抜かれた音楽です。1曲目『The River あの川』について。 最初から最後まで鳴っている音は和音のディレイだけ、 もう一つ、途中で鳴ってないとこもありますが、 左右…

3月の踊るヒット賞!

David Sylvian『Everything and Nothing』 LSK『LSK』 Metallica『Master of Puppets』 Blaze『Best of Blaze』 piana『ephemeral』ベスト盤が2枚入ってます。僕はベストよく聴くんですよね。 レコードコレクターではないんで、ブレイズがいいと言ったって …

フェラーリのイベント その2

トークショーで面白かったのは、 悠治が徹底的に政治的に語っていたこと。 例えば、映画の中でのフェラーリ夫妻の仲の良さについて 「夫婦が親密だってのは、フランス国内で孤立してるってこと」 みたいなことを言っていました(笑)フェラーリは『東京日記』…

宮岡秀行『リュック・フェラーリ--ある抽象的リアリストの肖像』

オープニングイベントだったので、 『リュック・フェラーリ東京日記』のデモ上映、本編上映、 高橋悠治/足立智美/宮岡秀行によるトーク。 正直、ドキュメンタリー映画として観たときに 僕には何も思うことがないので、フェラーリについての話。 フェラーリ…

昨日の続き

アンビエント・ミュージックについてどう思うか、 という質問に対して、坂本龍一が 「アンビエントは好きだけど、アンビエント好きは嫌いだ」 と答えてるんですけど、これを読んだとき、 もやもやしてたものが色々すっきりした覚えがあります。 ロックは好き…

東浩紀『波状言論S改』その2

iPodのCMにウィントン・マルサリスが出てたり なかなか借りられない菊地成孔の本を ちょっと立ち読みしたりしてて思ったんですけど、 なんか最近、ジャズがアリなものになってないか?と。よくは知らないけど、DJのブームから アシッドジャズなんかの流れが…