2006-01-01から1年間の記事一覧

トミー・リー・ジョーンズ『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

ピートは友達が死んで悲しんではいるんだろうけど一回も泣きません。 強い怒りを感じているのかもしれないけれどもそれを表情にださない。 メルキアデスが死んでからの彼は常に無表情です。 と言っても彼が感情の無い冷酷な人間だからではなくて 彼にとって…

感情表現

先日おいしい飲み屋に連れていってもらって 「美味い美味い」と言いながら食べていたら 「あんたが美味いって言いながら食べるの珍しいね。 『これ不味い』って言うのはしょっちゅう聞くけど」 と言われてしまって大ショック!そんな人間だと思われていたと…

エリック・ロメール『シュザンヌの生き方』

主人公ベルトランのダメっぷりが自分に似ているので観ていて辛いです(笑) ↑これは個人的な感想でもあるけれどこの映画にとって欠かせない要素でもある。 上映後のトークで中条省平がドゥルーズの『シネマ』を引きつつ ヌーヴェルヴァーグが映画を変えてしま…

ゲーム嫌いになりそう

今度の『聖剣伝説』のメインテーマを坂本龍一が作るらしいですが 僕、アクションが要素が入ったゲームが一切ダメで 前に『聖剣伝説』をやった時は オープニングイベントでゴブリンにたたき殺されました(笑) だから今度のもやりたいけどできないでしょう。Wii…

ジャン=リュック・ゴダール『恋人のいる時間』

「どこでつけた傷?」とロベールは聞くけれど 画面にはシャルロットの背中しか映っておらず傷など見えない。 「早く脱げよ」と言うけれど画面には足しか映っておらず 何を脱ぐのかはわからない(パンツなのか上着なのか…) 「歯がきれいだね」とは言うけれど…

やっと冬

今日、出掛けにコートのライナーを入れました。 冬服デビュー。去年買ったモッズコートには毛皮のフードが付けられるのだけど 買ってすぐ外してしまったから元の状態を覚えておらず どのボタンがどの穴に対応してるのかイマイチわからくて 何回か試してみた…

エレオノール・フォーシェ『クレールの刺繍』

フェティシズムと少女のはかなさが上手く融合していてとてもよいです。 なんと言ってもやはり刺繍が美しい。 もちろん刺繍の模様の美しさが見たければ 本物の刺繍展か何かでも見に行けばいいでしょう。下手をすれば破けてしまう繊細な壊れやすさは 16歳の少…

自転車で

前の家からは新宿も池袋もチャリンコで30分だったし がんばれば吉祥寺くらいまで行けたものですが 今の家は近くに都会がありません。 地図で見る限りでは銀座くらいなら不可能ではないかな… って感じはするんですが怖くて挑戦できません。もう寒いし。毎週土…

ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ『あの彼らの出会い』/佐藤真『エドワード・サイード OUT OF PLACE』

前に観たのが『セザンヌ』だったからかもしれないけれど ストローブ=ユイレは表象不可能なものを表象しようとしている という印象を強く持ちました。『雲から抵抗へ』では神のことが語られこそすれ 神が画面に登場することは一度もありませんでしたが この…

年齢不詳

僕も歳がわからないと言われるほうですが 僕よりももっと年齢不詳な人は周りにけっこういます。 共通する特徴だと思うのは、みな歳相応に振舞わないこと。 まだ28歳だからとか、もう28歳だからなどということを考えない。よく「内面から出る若々しさ」みたい…

意識は言語に規定される

小熊英二の『インド日記』に 日本語の『協調性』を英語ではどう翻訳するか議論になったが、『同化 assimilation』がいちばん適切だという結論をインド側の人びとは下した」 という一文があります。 せっかく小熊英二の本を読んだのナンですが、今日もスター…

脂肪

僕の父は背が高いので見た目にはガッシリに見えるけれど 実は五段腹で体脂肪率は20%を超えてやや肥満ぎみ、 ついでに祖父も若い頃太っていた時期があるそうです。 高校生までは痩せていた父が太りだしたのは浪人生の頃、 毎日夜食にラーメンを食っていたの…

ホウ・シャオシェン『百年恋歌』

ホウ・シャオシェンの映画のキャラクターは つねに切羽詰ってキリキリと生き急いでいるように見えます。 明日の朝には軍に戻らねばならないにもかかわらず どこにいるかもわからないスー・チーを探し回る チャン・チェンの行動に典型的に見られるように、 彼…

邦題

最近の映画は邦題をつけずに原語のままというのは多い。 …と書いてはみたけれど、ちょっと検索してみたら最近はそうでもないようです。 ここ10数年の傾向が最近変わってきたということでしょうか。ちょっと気になるのは文法的に間違ってる英語のタイトル。 …

溝口健二『赤線地帯』

溝口の遺作だそうだけれど、 最後に消えゆく赤線を撮るなんてさすがだなぁという感じ。京マチ子の放蕩、若尾文子の強欲、木暮実千代の献身、 入江洋佑の潔癖、三益愛子と町田博子の報われない想い… この映画の登場人物たちは誰もが救いがたく愚かなのだけれ…

僕だって猫は好きである

mixiの大島弓子コミュニティで密かに話題になっているのが 『グーグーだって猫である』の映画化の話。 ネットで検索してもあんまり情報でてこないけど、 監督は犬童一心だ、とか本気っぽい噂(あくまでも噂)もちらほら。で、僕その書き込み読んだときすごく…

ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ『セザンヌ』

ものすごく謎めいた映画で、はっきり言って全く租借できてません。 なんと言うか表情に乏しい映画です。 もちろん、ストローブ=ユイレの映画の人物達は 誰も泣いたり笑ったりなんてしないので その意味での表情なんて元々ありません。 しかし彼らの映画では…

11月の踊るロード賞!

ジャン=リュック・ゴダール『はなればなれに』 ヴィム・ヴェンダース『ベルリン・天使の詩』 ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ『オトン』 ジャック・リヴェット『恋ごころ』 エミール・クストリッツァ『ライフ・イズ・ミラクル』 『はなればな…

11月の踊るヒット賞!

Art Zoyd『Metropolis』 Me'Shell Ndegeocello『The Spirit Music Jamia: Dance of The Infidel』 Astor Piazzolla『Maria De Buenos Aires』 Maurizio Pollini『Chopin: Etudes』 坂本龍一『Media Bahn Live』 棚を整理していると買ったのにあまり聴いてな…

「切っても切れない二人」にもいろいろなバリエーションがあるのだ

Wコージはコンビの割合を増やしたほうがいいんじゃないかという話。 僕が今、ビデオを予約してでも見逃したくない番組は 『やりすぎコージー』と『検索ちゃん』の2つ。 両番組の司会、Wコージと爆笑問題の共通点と相違点とはいかに!爆笑問題がピンで活動…

あややの話

もちろん松浦亜弥ではなくて若尾文子のことです。 ちなみに僕が最近まで「若尾ふみこ」だと思ってたのはナイショです。BAILAとかDomaniとかって僕にはさっぱりわからないのですよ。 30代女性ファッション誌がわからないと言ってもいい。 CanCamは好きではあ…

溝口健二『祇園囃子』

わ、若尾文子がかわいい!そんなバカな。 かわいくて初々しい若尾文子なんて みずみずしい干し椎茸や温かいかき氷と同様、形容矛盾と言うべきではないか。 ああおぞましい!木暮実千代は本当に色っぽい。 「しゃなりしゃなり」って音が本当に画面から聴こえ…

布 〜最終章〜

懸案だった布がやっと我が家にやってきました。 と言っても「買ってきたよ」と事後報告を受けただけで僕はノータッチ。 あんだけ色んなお店を一緒にまわって (僕は買い物大好きなので全然苦痛ではないけど) 「どんなんにしようかねぇ」と相談しておきなが…

ロバート・アルトマン『ゴスフォード・パーク』

階上には貴族たち、階下には従者たちという舞台設定がとても巧妙です。 もちろんそれはダイナミックな階級闘争の劇が演じられるからではなく、 またその階級差が絶望的に乗り越えがたいものであるからでもない。 そもそも1932年のイギリス貴族などというもの…

サッカー問題

しつこく昨日の続き、と言っても今日は結論は無いですよ。 人は全てについて考えることはできないという話。 例えば僕は正義や悪や神やセックスや芸術や音楽や映画… については考えているけれどサッカーについては何も考えていません。 正義や悪や神や…にし…

フィリップ・ガレル『自由、夜』

ガレルの映画は叙情的な物語であるにもかかわらず 妙に淡々としていて、容易に感情移入することができず ボソボソとしたつぶやきを苦労して聴き取るような 決して嫌ではないけれど楽でもないような作業が要求されます。 さらに例えるなら、半分ボケた祖父の…

昨日の続き

正義や悪と言ったものは実体としてあるわけではないけれど それを無いと言ってしまうこともまた間違っています。 実体としての正義や悪などというものは 「テロとの戦い」というようなおぞましく かつ悪い冗談としか思えないようなものになってしまう。 昨日…

悪意の連鎖を断ち切れるか

ヴェンダースやストローブ=ユイレを観てからちょっと考えるところがあります。 ストローブ=ユイレはテロリストを自称するほどの戦闘的政治姿勢にも関わらず その映画は徹底的に現状認識的で「それより先」 つまりその現状に対する働きかけがないのですね。…

時間/無時間

池田清彦の『虫の思想史』に 「食べることやセックスすることの本質は時間性にあり、科学の本質は無時間性にある。ゆえに大科学者で色恋の達人という人はあまりいない」 (↑うろおぼえ)というようなことが書いてありました。 読んでまず思ったのは、芸術家…

ソファー(という名の布団)のカバーを探している と先日も書いたのですがまだ見つかっておりません。 インド綿の柄もんがいいなぁと思っていて 布の専門店と雑貨屋をちょっと回ったのですがなかなか。 まぁ僕はけっこうどうでもいいのですが(笑) どうでもよ…