機能異常

この前の日記では「脳を乗っ取っても体が抵抗するだろう」
なんて書いたんですが、
オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』を読んだら
自閉症の人は聴覚がすごく鋭いかわりに痛覚が鈍かったりするし、
フロイト的な意味での性欲がない人もいるようです。
(人によって様々だそうですが)

もちろん感覚神経もホルモンも機能してるんでしょうけど
脳の側でそれを普通の人と同じ様には処理していないのでしょう。
寄生獣』のパラサイトもその理屈で説明できますね。
つまり人間の生理機能とか認識や意識活動なんかは
非常に危ういギリギリのバランスで成り立っていて
ちょっと回路を繋ぎ換えれば機能しなくなるということ。

まぁこの本で面白いのはそれが「機能不全」では終わらずに
そのような機能異常によって「別の機能」が作動しはじめるという話。
そこにこそ人間というシステムのすごさがあるわけです。