2007-01-30から1日間の記事一覧

ダニエル・シュミット『今宵かぎりは…』

冒頭で映し出される城は、ヨーロッパのどこかに存在する城などではなく、 隠り世の中に一時的に出現した幻の城です。老女が客(召使)たちを招き入れるシーンでは 部屋の入り口がまるで鏡のようで、 鏡の向こうからこちら側に入ってくる客たちは その入り口…

喪失感

喪失の痛みというのは失ったときに感じるものじゃなくて それを受け入れたときに感じるものですよね。 「お父さんが『ただいま』ってひょっこり帰ってくるんじゃないかって…」 みたいな感覚は、喪失を「知っている」けれど「実感して」いない状態で、 喪失の…