ジャック・ドゥミ「ローラ」@ル・シネマ

ドゥミはハチャメチャなおとぎ話を仮構して
その上に、愛という感情の純粋な部分だけを乗せて見せる
ってな感じで映画を作るわけです。

この映画も「シェルブール」などのような
後の作品ほどには無茶な話ではなく、
やや現実的なストーリーだとは言え、
やはりおとぎ話であることにかわりわないのだけど、
台車に乗った移動撮影まで使って
徹底的な虚構を演じる「シェルブール」などと比べると
だいぶ俳優の生身の身体性に頼っているように感じられる。

特にフランキー、そしてセシル(小さいほう)
フラフラ歩きながら後ろから漫画をのぞきこんだり
階段の手すりを滑り降りるフランキーを観てると
それだけでわくわくしてくるし、
ちょこまか小走りみたいに歩くセシル(小)を観てると
胸がきゅんきゅんするのである。
ロリコンじゃないよ)

まぁこんなことを思うのも
やっぱりこの二人がメリーゴーランドから降りるショットの
圧倒的に美しいスローモーションを観たからでしょうか。
何度観ても泣けますねぇ。

どうでもいいけど、
ウィンクしながら踊ってるローラがしずちゃんに見える。
アヌーク・エーメが不細工だと言いたいんじゃなくて
僕はしずちゃんが好きだという話。