2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン=リュック・ゴダール「勝手に逃げろ/人生」

「爆音ゴダールナイト」なんてタイトルだから ライブハウス並みの爆音だったらやだなぁと思ってたら それほどでもなかったので一安心。 ノイズまで含めて明瞭に聴こえるのでありがたかったくらい。この映画は商業映画復帰一作目で、 SONIMAGEのクレジットも…

十万馬力もいらねーよ

NHK教育でロボカップ(ロボコンの国際版ですな)の 特集をやっていたのだけど、 プロの棋士がゲストで呼ばれていたのが不思議でした。よく知らないけど、ロボットはセンサーとか運動がメインで、 将棋のプログラムは人工知能に属する研究だから 本来は別物な…

S・ソダーバーグ「イギリスから来た男」

普通、映画では観客が物語の時間を 破綻なく追体験できるように配慮するのが編集なわけだが、 この映画では物語上での現在の時点(言うまでもなく虚構だ) だけでなく、その前後の時制と思われる映像が あまり脈絡もなく唐突に挿入される。例えば、イギリス…

気のせい

折り畳み傘を持ってないときに限って雨に降られる。 といったようなジンクスがあるが、 持っていなかったけど降らなかった場合や、 降られたけど傘を持っていた場合などに比べて、 持っていないときに降られた場合は 強く印象にのこる傾向があるために そん…

マニュアル嫌い

リンクの張り方とかカテゴリわけとかやったほうがいいよなぁ。

恋人が機械だったら

映画版「アップルシード」を観たんだけど 原作では(あえて)ほとんど展開されなかった デュナンとブリアレオスの恋物語が描かれていた。 顔も体も機械になってしまった男を愛せるかって話ですな。「ザ・フライ」もそうだけど、 男の異形の者になっちゃうパ…

ジャック・リヴェット「パリでかくれんぼ」

ジャック・リヴェットは服装に敏感な映画監督だ。 (服装の面でも)お洒落なフランス映画と言えば ゴダールとロメールというのが定説だが(ほんとか?) 僕はヌーヴェル・ヴァーグ勢ではリヴェットが一番だと思うね。 初期からずっとそうだと思うんだが、い…

日記

昔のビデオを整理するついでに見ていたら 島田雅彦が、中学生くらいのとき日記をつけ始めたんだけど 日記の内容を面白くするために、 あんまり好きじゃないけど恋をしてみたりした。 なんてことをテレビで話ていた。僕は恋をしたとしてもそのことを書くつも…

廣松渉「映像で知るのと言葉で識るのと」

一昨日の日記で書いた「知る」に収録された論文の中で 廣松渉は感性的認識と知性的認識について、『区別をつけにくいこともあるが、しかし、一般的には知覚と表象とは弁別的に意識されている』という微妙な言い方をしている。 議論の便宜上、二つをわけてい…

村川透「あぶない刑事リターンズ」

9年前の映画だとしても古い。 風俗描写は80年代と変わってないんじゃなかろうか。 下手したら松田優作の時代から変わってないかも。 まぁしかし、そんなことはどうでもいい。 問題はアクションなのだから。病院の駐車場に出てくる 包帯ぐるぐる巻きの患者の…

漫画的

「犬猫」のDVDに収録されていた監督のインタビューで、 喧嘩してても怒りだけがあるわけじゃなくて 『やべ、今オレ言い過ぎた』みたいな感情もあるはずだ。 ってなことを言っていた。少女漫画では、キャラクターの行動とそれとは裏腹な内面描写が 同じコマの…

コード

平凡社カルチャーtodayっていうシリーズの 「知る」っていうムック(って言うの?知らんけど) 村上陽一郎(責任編集)+谷泰+寺山修二+廣松渉の座談会と論文。 すげーメンバーだぜ。パラダイムを知らずにコードに穴を開けることができるか と執拗に問う村…

年齢別に

おじゃる丸の世界にはティーンエイジャーが一人もいない。 あの世界観を保つのに邪魔だからだろうか。 あえて言えば電ボが男子中学生的メンタルを持っている。 実際に何歳って設定なのか知らないが。10歳未満。 おじゃる、キスケが5歳、 おかめはいくつだか…

萌えと表象

「犬猫」のDVDに収録されてたメイキングを観たんだけど 映画のリハーサルなんて観たことなかったんで面白かった。 体の動きとセリフを別々にするとか言って 主演の二人がキャッチボールしながらしゃべったり トランプしながらしゃべったりしていた。劇中では…

井口奈己「犬猫」

多少はわざとなんじゃないかと思うのだが マイクの指向性が悪くてセリフが聞き取れない。 たぶん何言ってんのかわからないまま観続けるのが正しいと思うのだが イライラするので字幕をオンにして観てしまった。 日本語の日本映画なのに字幕がある時点ですご…

アンドリュー・ラウ「インファナル・アフェア」

監督はアンドリュー・ラウで主演がアンディ・ラウ、 お間違えのないように。 新文芸座がプッシュしてたんで観てみました。ビデオだけど。 いや、しかし圧倒的に面白いですな。警視と共に、ヤンをスパイに送り込んだ偉いさん(メガネの人)が 死んだとこなん…

やさしさと親切

正確な用語とはとても言えないけど、とりあえず便宜的に 『やさしさ』と『親切』をわけてみる。やさしさっていうのは自己同一的なもの。 家族や友人、仲間にたいするいたわりのこととする。 これは仲間以外のものの排除と表裏一体だ。 ヤンキーが仲間内では…

飯田隆「クリプキ」

『言葉の意味についての言明が、世界にもともと備わっていつ事実について語る事実言明ではなく、世界の側に投影されたわれわれの態度について語る言明だと考えることである。』クリプキ(飯田)は「クワス演算」という特殊な例を使って 言葉の意味が世界の有…

矢口史靖「スウィングガールズ」

前半と後半で雰囲気がだいぶ違うと思うんだけど 意識的なんだろうか。それとも勘違いか? 後半は特にだが、半端なリアリティよりも おとぎ話として物語をつむぐことによって 豊かな情感を伝えることが出来ていると思う。スーパーの前で4人が演奏してるところ…

なんでイライラするのか

昨日の続き。 自分でも何言ってんだかわからなかったんで整理。 押井守や坂本龍一は『ソ連かアメリカか』という 二項対立を強いる冷戦中の政治的圧力に対して どちらでもないというスタンスを取ることで 政治的アクチュアリティを確保していた。 (村上龍や…

M・ナイト・シャマラン「サイン」

特徴的なのはガラスを、透明な媒体としてではなく 光を歪める物として捉えていること。 これってかなり珍しいんじゃないかね。 映画では窓越しに何かを撮ったとしても ガラスは透明なんで、そこに窓があると気付かないことが多い。 この映画の冒頭では透明の…

イライラするよねっ!

ユリイカの11月号で東浩紀と神山健治が対談してたんだけど 押井守がダメになったことについて話していた。 東は中学生時代からの押井ファンで、神山は押井の弟子なので 押井の後退については二人ともじくじくたる思いがあるでしょう。 立ち読みなんで、正確…

田口ランディ・寺門琢己「からだのひみつ」

田口ランディの小説を読んだことはないんだけど これ程までに脱近代的な小説家も珍しいんじゃないか。 とか言って僕、それほど小説家のこと知ってるわけじゃないけど。反近代が意図的に近代から距離を置こうとすることだとすれば 脱近代ってのは近代を全く無…

僕の記憶が確かならば 半袖で過ごせるのは9月中旬までがせいぜいだったはずだ。

santamaria

なんか山崎まさよしのCDのコマーシャルしてますよね。 自分も昔は歌手だったたくせに。 てか、ビンゴボンゴけっこう好きだったのよね。 もう歌わないのかなぁ。

被害者と犠牲者

「世紀末は世紀末か」からの引用なのだが、 『被害者は、被害者意識があるかぎり、それが被害者を加害者に転化させていく。しかし、犠牲者には犠牲者意識はなかった。…(略)…犠牲者の死の体験を共有できないからこそ、ぼくたちは犠牲者の側に立って、犠牲の…

ルネ・ラルー「時の支配者」

フレンチ・コミックを読んでみたいとは思ってたんだけど 翻訳されてるヤツは見たことがないし、 フランス語の輸入本をめくりながら絵だけで楽しむ なんていう高尚な趣味は僕にはないんで 入っていけない世界かなぁって思ってら 映画があるんですね。もちろん…

あずまきよひこ「よつばと!」

『えー しゅうちゃんも宿題やってないのー?』 『大丈夫だよ あと十日もあるよ 十連休だよ』 『なるほど…これから十連休か…素敵な考え方だ…』 生活に特異な視点を導入して、日常を素敵なものへと組み替える。 すばらしいことだと思うのだが、かなり危うい戦…