高田雅博『ハチミツとクローバー』

今日も小津を観にいこう!と思った土曜の朝。
「ふーん。今日休みだから僕も行こうかな」という友人
「あ、でもハチクロ観にいかない?
男二人でカップルだらけの映画館に行くってネタとして面白くない?」
というバカな提案に乗ってしまったお茶目な28歳、それが僕。

感想は、僕「あおいたんハァハァ」
知人「めぐみたんハァハァ」
合コンやったら好みが被らなくて上手くいきそうな二人なのでした。
…置いといて。

前にこの日記で、大塚愛の歌詞には表現したい感情のみがあり
文法やストーリーは度外視されているということを書いたのですが
この映画も基本は一緒です。
おそらくストーリーや人物の関係、
場面転換の整合性はあまり考慮されておらず
その場その場の画面から伝わってくる感情が
最も重視されているものと思われます。

その感情を表現するための画面設計は素晴らしいです。
その画面内の人物の関係と感情を的確に示す構図(人物配置)
人の動かし方、ライティング。
特に5人で行く海辺のシーンなんかは
恥ずかしくて説明するのもはばかられるほどクサいシーンですが
見てる分にはちゃんと説得力があり泣きそうになります。嘘ですが。

はぐ(蒼井優)のぽけーっと開けた口とか
幾度かある手を握られるシーンの演じ別けとか
山田(関めぐみ)がおんぶされたときに
ぎゅーっと肩を掴むとことかねー。
細かい感情表現の繊細さには事欠きませんよ。

で、その感情表現のつみかさね「のみ」で、
原作のストーリーではなくて、
あくまでも雰囲気だけをなぞってるんですね。
それはそれでクレバーな選択かなぁと。


余計なこと。
正直どうだったかって?『秋刀魚の味』を観ときゃよかったよ。
いや、面白かったけどね、嘘じゃなくて。
え?原作ファンだから観たいって?
そりゃやめときなよベイベ。
だれか9巻貸して。