ポン・ジュノ「ほえる犬は噛まない」

才能という言葉の正体はよくわからないんですが、
子猫をお願い」の、主人公達が歩く姿を見れば、
チョン・ジェウンには圧倒的な映画の才能があることがわかるし、
それと比べてしまうと、ポン・ジュノが見劣りしてしまう
という印象は避けられないわけです。
(念のために書いておくけど、ポン・ジュノにはすごい才能があるのに、
僕には理解できてないだけかもしれないので、
ポン・ジュノのここが凄い!ってのを教えてくれる方がいたら嬉しいです)

才能というものの恐ろしさはよく知ってるつもりですが、
それだけで全てが決められてしまうのはすごく癪に障るので
例えば、阿部和重
『演出が出来ないから会話劇だけで持たせてるみたいなとこがあって、長くは続かないだろうと思っていた』(←うろ覚え)
なんてことを言われてしまう、タランティーノのような人に
僕はどうしてもシンパシーを感じてしまうんです。

ポン・ジュノにもなんか似たところがあって、
走る姿とか、屋上のシーンとかが全然ダメなので、
百点をあげられる作品では決してないんです。
でも、ババアが痰を吐くところにゴミ箱を置くとか、
遺言が切干大根だったとか、すごく面白い細部があって、
キャラクターの配置とか、その組み合わせ方とか、
団地という空間の設定とか、色々面白いとこはあって、
その必死の悪あがきは偉いなぁと思うわけです。

観たのはこれが初めてなんですけど、
撮るごとに評価が上がってるっぽいんで、
(正直言ってその評価には眉唾なんですが)
チェックしてみようかなぁと思っております。


どうでもいい話。
やっぱりペ様(♀)もカワイイです。