想像力の欠如について

しつこく昨日の続き。ロハスがなぜムカつくのか。

近年では『新階級社会』とか言われて
金持ちと貧乏人の乖離が激しくなっているわけだが
人々が思想(わかりやすく言えば趣味)
の領域でもタコツボ化してるって話は
もっと前から言われてまして、
例えばオタクとギャルの接点のなさとかが
それの典型的な例なわけですね。
で、昨日の図式

     自分が幸せ

ヒルズ族         ロハス
       ↑
      ← → 地球が幸せ
       ↓
ニート          エコロジスト

においては、縦軸が階級、横軸が思想になるわけで
この4つに分類された人種(クラスとでも呼ぼうか)は
お互いにどんどん交わらなくなっているわけです。


僕の妹は、
「知り合いでセカチューに感動した人、知らないなぁ」
などと言っていたのですが、
本と映画とドラマとあわせたら三百万人くらい?(しらんけど)
が感動して、そのうちの半分くらいは20代だろうから
知り合いに一人もというのはやはり異常だろうと。

妹はセカチューを読んだけど、何が面白いのかわからなくて
上記のような発言をしたわけなのだが、
別に無理して読まなくてもいいから
みんながどういう回路で感動したかについての
想像力ぐらいは持っていたほうがいいんではないかと。

かく言う僕も、東京都民でありながら
石原都知事に投票したと言う知り合いが一人もいないし
彼らがどんなことを考えて石原に投票したのかも
全く想像ができないわけで
この乖離を止めるということに関しては
絶望的な状況と言わざるをえないのですが。


で、何が言いたかったのかと言えば
ロハスの正体ってやつは結局のところ
『金持ちでインテリでリベラルな都会人』
有機野菜が買えない貧乏人や、
セカチューで感動してしまうような人や、
ブッシュや石原慎太郎を支持してしまうような人を、
自分たちの視界から排除して
自分たちだけでキモチ良くなろう
という動きなのではないかと。

これはやっぱりイヤ〜な話ですよね。
世界はけっきょくバカと貧乏人が大半なわけで
そういう人々を排除した環境運動なんてのが
地球にやさしいはずがないわけでして…


坂本さん。やっぱり間違ってますって。
これじゃクラス間の対立を煽ってるだけじゃないですか?
共生がテーマだって前は言ってたじゃないですか。
「愛する子供においしい水をのこしておきたい」
なんていってたけど、
僕みたいな連中と共生する道を地道に考えないと
まずい水すら飲めないで苦しんでるテロリストに
教授の子供も殺されちゃいますよ、と。


世界中の全ての者(物)に対して
想像力を働かせるというのは不可能なので
さしあたり出来ることと言えば

『世界には満足に水も飲めない人とか
セカチューに感動する人とか
石原都政を支持している人がいて
自分とは少し違った生き方だとは言え
彼らもそれぞれの人生を生きていて、
彼らと助け合わなければ
自分だって生きていけないかもしれない』

という認識をもつ、ということでしょうか。

『自分の想像力の限界をちゃんと知っとけ』

ってことですね。ようするに。
もちろんこれだって十分条件ではないんですけど